
異世界ファンタジー作品の中でも、「成り上がり」や「再評価」を軸にした物語は根強い人気があります。
その代表格ともいえるのが、勇者パーティを追い出された器用貧乏です。
第14巻では、これまで積み重ねてきた人間関係と実力が一気に表へと噴き出し、物語が次の段階へ進みます。
単なるバトル展開にとどまらず、「立場」「思惑」「政治的介入」といった要素が絡み合い、シリーズの中でも転換点といえる一冊に仕上がっています。
勇者パーティを追い出された器用貧乏14巻の注目ポイント
本巻の公式あらすじでは、ロックハート商会の暴漢たちに対し、オルンとフウカが共闘する場面が描かれています。
しかし、そこにフォーガス侯爵や国軍が介入することで、単純な力対力の構図は崩れ、事態は予想外の形で収束していきます。
この「強さだけでは終わらない展開」こそが、14巻の大きな魅力です。
オルンの実力を再確認すると同時に、この世界が決して単純な勧善懲悪ではないことを改めて突きつけられます。
オルンとフウカの共闘が示す成長と信頼
14巻前半の見どころは、やはりオルンとフウカの共闘です。
かつて「器用貧乏」と揶揄され、勇者パーティから追い出されたオルンですが、ここでは柔軟な戦術眼と多彩なスキルが存分に発揮されます。
一方のフウカも、単なる戦力ではなく、オルンと互いを補完し合う存在として描かれており、二人の関係性が一段深まった印象を受けます。
派手な必殺技よりも、積み重ねてきた経験が生きる戦い方が描かれる点は、シリーズファンにとって非常に満足度の高い部分です。

勇者パーティを追い出された器用貧乏 ~パーティ事情で付与術士をやっていた剣士、万能へと至る~(14) (シリウスコミックス)
フォーガス侯爵と国軍介入が生む「現実感」
本巻で特に印象的なのが、フォーガス侯爵や国軍の介入です。
これにより、物語は「強い者が勝つ」という単純な構図から一気に引き戻されます。
どれほど個人が優れていても、権力や組織が動けば状況は変わる。
この現実的な描写があるからこそ、オルンの立ち位置や選択に重みが生まれています。
異世界作品でありながら、どこか現実社会にも通じる空気感があり、物語に深みを与えています。
武術大会開幕が意味する次なるステージ
そして巻の後半では、武術大会の開幕が描かれます。
この武術大会は、単なる腕試しの場ではありません。
名声、立場、思惑、そして政治的意図が交錯する舞台として設定されており、今後の展開を占う重要なイベントです。
オルンがこの舞台で何を示し、どのような評価を受けるのか。
「いよいよ本格的に物語が動き出す」という高揚感を味わえる構成になっています。
まとめ
『勇者パーティを追い出された器用貧乏』14巻は、共闘、権力介入、武術大会という三つの要素がバランス良く配置された転換巻です。
オルンの成長を楽しみたい読者はもちろん、物語全体のスケールアップを感じたい人にも強くおすすめできます。
派手さだけに頼らず、積み上げてきた設定と人間関係で読ませる一冊として、シリーズの中でも印象に残る巻といえるでしょう。
























