
確率志向の戦略論 森岡毅

【確率思考の戦略論】売上を増やす「数学的」な思考法とは?
「どうすれば売上は増えるのか?」
これはビジネスに関わるすべての人が直面する永遠の課題だ。広告費を増やす?新商品の開発?価格を下げる?どの施策が本当に効果的なのか、確信を持てずに試行錯誤している企業は多い。
しかし、日本のマーケティングの第一人者である森岡毅氏は、これらのアプローチに明確な「解」を示している。売上の増加は決して「運」や「勘」によるものではなく、「確率思考」によって科学的に導き出せるのだ。
では、「確率思考」とは何なのか? どのようにビジネスに活用できるのか? 本書『確率思考の戦略論』をもとに、その核心について迫ると・・・
森岡氏が提唱する「確率思考の戦略論」とは、売上を「数学的」に捉えることで最適な意思決定を行う方法である。
売上は、次の2つの要素で構成される
売上 = 購買者数 × 購買頻度
一見シンプルに思えるが、ここにマーケティングの本質が隠されている。
例えば、「とにかく売上を上げたい!」と考えたとき、多くの企業は「新規顧客を増やすこと」に注力しがちだ。しかし、本書では「既存顧客の購買頻度を上げる方が、成功確率が高い」と説明されている。なぜなら、
・新規顧客を獲得するコスト(CPA)は、既存顧客に再購入してもらうコストよりも 数倍高い。
・既存顧客はすでにブランドに親しみがあるため、適切な施策を行えば確率的に再購入する可能性が高い。
つまり、「顧客の購買頻度をどう高めるか」を考えることが、売上最大化の鍵となるようです。
本書では、この「確率思考」を実践した具体的な事例として、USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)のV字回復が紹介されている。
かつてのUSJは、東京ディズニーリゾートの影に隠れ、経営不振に苦しんでいた。しかし、森岡氏がCMO(最高マーケティング責任者)として就任すると、「確率思考」に基づいた戦略を打ち出した。
● 戦略1:ターゲットの明確化
USJは従来、幅広い層をターゲットにしていた。しかし、データを分析した結果、最も収益性が高いのは「若い女性層」だと判明。そこで、彼女たちに響くコンテンツを強化した。
● 戦略2:購買頻度の向上
USJは「新しいアトラクションが登場するたびに訪れたくなる仕組み」を作ることに注力。その象徴が 「ハリー・ポッターエリア」 の導入だった。これにより、リピーターが急増し、売上は劇的に回復した。
『確率思考の戦略論』は、感覚的なマーケティングではなく、「数学的に正しい戦略」を立てることの重要性を教えてくれる。
1. 売上を増やすには、「購買者数」より「購買頻度」に着目する。
2. ターゲットを明確にし、最も効果的な施策を選ぶ。
3.「確率」を味方につけることで、戦略の成功率を高める。
マーケティングに携わる人はもちろん、ビジネスの意思決定をするすべての人にとって、必読の一冊だ。あなたも確率思考を取り入れ、ビジネスの勝率を上げてみてはいかがですか?

確率思考の戦略論 どうすれば売上は増えるのか