
※この記事は『ターミネーター3』の結末まで含めて、かなり好き勝手に感想を書いています。ネタバレがありますので未視聴の方はご注意ください。
今さらターミネーター3を観て思う。駄作なのにT-Xだけは忘れられない
『ターミネーター3』をあらためて観た。
正直に言ってしまえば、私の感想はかなり厳しい。
「ターミネーター2の続編として考えるなら、やっぱり駄作じゃないか」
これが最終的な感想だった。
もちろん、全部がダメだったわけではない。派手なアクションはある。シュワルツェネッガーもいる。最後の展開には「なるほど」と思わされた。
そして何より、女性型ターミネーター「T-X」。
彼女だけは別格だった。
むしろ今回あらためてT3を観て、一番強く心に残ったのはストーリーでもジョン・コナーでもなく、T-Xを演じたクリスタナ・ローケンだったと言っていい。
そもそも私はT3が公開されたことさえ知らなかった
『ターミネーター3』がアメリカと日本で公開されたのは2003年7月。
ところが当時の私は、T3という映画が公開されていたこと自体を知らなかった。
私にとってターミネーターといえば、長い間『ターミネーター2』までだった。
T2が公開されたのは1991年。そこから約12年後にT3が作られていたわけだが、その事実が完全に自分の生活圏から抜け落ちていた。
そんな私がT3の存在を初めて知ったのは、映画館でもテレビCMでもない。
会社だった。
会社の自作PCで流れていた謎の映画
当時、勤務していた会社ではデスクトップPCをパーツから組み上げ、用途に応じてカスタマイズして顧客に販売していた部署があった。
CPU、メモリ、ハードディスク、グラフィック関係などを組み合わせて一台のPCを仕上げ、その後、正常に動作するかテストする。
ある日、後輩たちが完成したPCで映像を流していた。
仕事中なのでじっくり観ていたわけではない。本当にちらっと画面を見ただけだった。
そこにはシュワルツェネッガーがいた。
そして、知らない女性と激しく戦っていた。
「なんだこれ?」と思った。
シュワちゃんが出ている。しかし、私の知っているターミネーターの映像ではない。
そこで後輩に聞いた。
「これ何の映画?」
返ってきた答えが、
「ターミネーター3ですよ」
だった。
かなり驚いた記憶がある。
「えっ、ターミネーター3なんて出てたの?」
私にとってT3との最初の出会いは、そんな偶然だった。
日本では82億円。そんなに大ヒットしていたのか
さらに今回調べて驚いたのが、日本での興行収入だった。
約82億円。
2003年の日本で、これは相当な数字である。
今になって考えると理由は分かる。
T2から約12年。
再びシュワルツェネッガーがターミネーターとして戻ってくる。
しかも今回の敵は女性型ターミネーター。
宣伝材料としては強烈だ。
当時リアルタイムでT2を知っていた人なら、「新しいターミネーターが来た」と言われれば観に行きたくなるのも当然だと思う。
ただ、82億円も稼いでいた映画の存在を、私は会社でDVDが流れるまで知らなかった。
これも今考えると妙に面白い。
しかしT2と比べると、どうしても厳しい
T3を観ていて、どうしても頭から離れないのがT2だった。
これはT3にとって非常に不幸なことでもある。
T2があまりにも完成されすぎている。
シュワルツェネッガーのT-800。
リンダ・ハミルトンのサラ・コナー。
エドワード・ファーロングのジョン・コナー。
そしてロバート・パトリックのT-1000。
この4人は、とにかく画面に出てきた瞬間の存在感が強かった。
それだけではない。
T2にはジョンとT-800の関係があった。サラ・コナーの恐怖と狂気があった。機械が人間性を学んでいく過程があり、「未来は決まっていない」という一本のテーマがあった。
最後の溶鉱炉まで、ストーリーも登場人物もテーマも全部つながっている。
それに比べるとT3は、どうしても薄く感じてしまう。
ジョン・コナーとケイトにどうしても惹かれない
T3のジョン・コナーを演じているのはニック・スタール。
ケイト・ブリュースターを演じているのはクレア・デーンズ。
二人とも当時20代前半で、役柄の年齢とも大きなズレはない。
しかも俳優として評価されてきた人たちだ。
監督が彼らを選んだ理由について調べれば、「なるほど」とは思う。
ジョンはヒーロー然とした青年ではなく、未来への恐怖を抱え、社会から距離を置いて生きている男として描きたかった。
ケイトについても、単なる美人ヒロインではなく、突然異常な世界に巻き込まれる現実的な女性として置きたかったのだろう。
理屈は分かる。
でも映画を観ている側としては、それと面白いかどうかは別だ。
演技派と言われてもT3ではそれを感じない
ニック・スタールもクレア・デーンズも「演技で見せるタイプ」と評されることがある。
しかし、少なくとも私はT3を観ていて、
「この二人、ものすごく芝居がうまいな」
とは一度も感じなかった。
申し訳ないが、ビジュアル的にも私には二人とも華が弱く映った。いや、華など皆無だった・・・
これは完全に個人的な好みだ。
ただ映画というものは、理屈だけではなく「この人をもっと見たい」と思わせる力も重要だと思っている。
未来の人類抵抗軍のリーダーになるジョン・コナー。
その妻となり、未来において重要な人物になるケイト。
その二人を観ていて、私はどうしてもワクワクしなかった。
T2の少年ジョンにはあれだけ強烈な華があったのに、成長したジョンを見て「この男が未来の人類を率いるのか」という説得力を私はあまり感じられなかった。
ところがT-Xだけは、とんでもなく良かった
そして、そんなT3の中で完全に別次元の存在だったのがT-Xだ。
演じたのはクリスタナ・ローケン。
1979年生まれで、T3公開時はまだ23歳だった。
これも今回知って驚いた。
23歳で、あの存在感なのか。
身長は約180cm。
長い手足、引き締まった身体、整った顔立ち。
しかしT-Xの魅力は、単に「美人女優を敵役にしました」という話ではない。
あの映画の中でのクリスタナ・ローケンは、何かがおかしいほど完成されている。
T-Xの顔が美しすぎる
まず顔。
本当にきれいだと思った。
彼女の普通の写真も見た。
もちろん普通の写真でも美しい。
だが、私にはT-Xを演じているときの顔が圧倒的に美しく見える。
髪型、メイク、照明、カメラ、そしてほとんど表情を動かさない演技。
それらが全部合わさって、普通の人間の美女とは少し違う、「人工的に作られた完璧な女性」のように見える。
冷たい。
感情がない。
なのに美しい。
そして怖い。
この組み合わせがものすごくいい。
顔だけではなく、身体まで含めてT-Xが完成している
さらに身体。
180cmという長身だから、ただ歩いてくるだけでも存在感がある。
しかもT3出演にあたって肉体をかなり鍛えたと言われている。
細身なのに弱そうには見えない。
肩、腕、背中、脚。
全身から「人間ではない何か」という感じが出ている。
そして、あの赤い衣装。
正直に言えば、私はあのT-Xの顔も姿もスタイルも全部好きになってしまった。
T3という映画そのものにはかなり厳しい評価なのに、T-Xだけなら何度でも見たい。
それほど強烈だった。
主役より敵の方を見てしまう映画
T3最大の問題は、ここにもあると思う。
シュワルツェネッガーが出てくれば画面を見る。
T-Xが出てくればさらに見る。
ところがジョンとケイトになると、私の中では一気に熱量が下がる。
敵役の女性ターミネーターの方が、主役の若い男女より圧倒的に魅力的に見えてしまう。
これはかなり致命的ではないだろうか。
T2ではT-1000が強烈だったが、サラもジョンもT-800も負けていなかった。
全員がそれぞれ違う方向で魅力的だった。
T3ではシュワルツェネッガーとT-Xに存在感が偏りすぎている。
その結果、映画の中心にいるはずのジョンとケイトが霞んでしまったように感じる。
それでもラストの発想だけはかなり好きだ
そんなT3だが、私は終盤の展開だけは結構好きだ。
ジョンとケイトは、審判の日を止めるために地下施設へ向かっていると思っている。
観客もそう思う。
ところが実際には違った。
審判の日はもう止められない。
ターミネーターの本当の目的は、ジョンとケイトを核攻撃から生き残らせることだった。
二人がたどり着いた場所は、世界を救うための場所ではない。
自分たちが生き残るための核シェルターだった。
そして核戦争が始まる。
世界各地から通信が入り始める。
ジョンはそれに応答し、指示を出していく。
そこでようやく、未来の人類抵抗軍指導者ジョン・コナーが誕生し始める。
これは面白かった。
T2の「未来は変えられる」という結論に対して、T3では「変えられない未来もある。その中でどう生きるか」という方向へ持っていった。
同じ結末を繰り返さなかった点は評価したい。
それでも私にとってT3は駄作だった
シュワルツェネッガーはいい。
T-Xは最高。
アクションも派手。
ラストのアイデアもいい。
ここまで良い部分がある。
それなのに映画全体として観ると、どうしても私はT3を高く評価できない。
原因はやはり人物ドラマだと思う。
ジョンにもケイトにも感情移入できない。
二人の関係にも強く惹かれない。
T2にあったような「この人物たちがどうなるのか見届けたい」という感覚が弱い。
そしてT2から12年も待った続編である。
そのハードルまで考えれば、私としてはやはり、
「申し訳ないけれど、これは駄作だった」
というところに落ち着いてしまう。
まとめ|映画は好きではない。でもT-Xは大好きだ
2003年に公開され、日本では興行収入82億円という大ヒットを記録した『ターミネーター3』。
私は当時その存在すら知らず、DVD化されたあと、会社で組み上げたPCのテスト画面に映っていたシュワルツェネッガーと謎の女性の戦いを見て、初めてT3の存在を知った。
それから20年以上。
あらためて作品を観てみた。
結果として、T2ほどの完成度は感じなかった。
ジョンとケイトにも最後まで強く惹かれなかった。
私にとって映画全体は、やはり駄作寄りの評価になる。
しかし、一つだけ当時よりはっきり分かったことがある。
T-Xはものすごくいい。
クリスタナ・ローケンのT-Xは、美しく、冷たく、強く、人間離れしていて、圧倒的だった。
顔も好きだ。
スタイルも好きだ。
無表情でこちらを見つめる姿も好きだ。
歩いているだけでも絵になる。
あそこまで役と本人の容姿が完璧に噛み合う例も珍しいと思う。
『ターミネーター3』という映画は好きになれなかった。
でも、T3のT-Xは大好きになった。
20年以上前、会社のPC画面でちらっと見かけた「あのシュワちゃんと戦っていた女性」。
今になって、その女性がこんなにも強烈な存在だったことを知った。
そう考えると、この映画を今あらためて観た意味は、それだけでも十分あったのかもしれない。
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