天之御中主神(アメノミナカヌシノカミ)
天之御中主神(アメノミナカヌシノカミ)は、日本神話における創造神の一柱として知られています。この神は、日本の神道における天地創造に関する物語で重要な役割を果たします。
最初に現れた神
天之御中主神は、日本神話の天地創造において、最初に現れた神として極めて重要な存在です。
この神は「別天津神(ことあまつかみ)」の一柱とされ、宇宙がまだ混沌としていた状態から秩序を作り出す役割を担いました。天之御中主神の名前に含まれる「御中(みなか)」は「中心」を意味し、宇宙や世界の中心を象徴する存在と解釈されています。そのため、この神は宇宙や天地を統括する存在として特別視されています。
日本神話の創世記を記した『古事記』によれば、天之御中主神は、高天原に最初に出現した神であり、その後に現れる神々の先駆けとされています。具体的には、神話の冒頭において天地がまだ分かれていない混沌の中から、最初に顕現したと記されています。この点から、天之御中主神は他の神々とは異なる唯一無二の存在であり、創造と秩序の象徴とも言えます。
また、神道においては、天之御中主神は祀られることが少なく、その性質は抽象的でありながらも神格は非常に高いとされます。神社では天御中主神社など限られた場所で祀られていますが、主に神道の哲学的な側面で重要視されています。
天之御中主神は、日本神話における創造神の最初の存在として、宇宙や世界の秩序を象徴する極めて重要な神です。その抽象的な性質ゆえに、物理的な崇拝対象よりも、神道の精神的な基盤としての役割が強調される存在です。
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日本神話の創造の根幹
天之御中主神を理解することで、日本神話の創造の根幹に触れると同時に、神道が大切にしてきた「中心」や「調和」の思想についても深く学ぶことができます。
天之御中主神に関する書籍
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日本の神々 完全ビジュアルガイド 分冊版 Vol.2 (The Quest For History)